「土地作図くん」開発に情熱を注いだ思い
私は2011年の税理士試験終了後に大阪にある資産税に特化した税理士事務所に就職しました。そこでは多くの相続税申告業務や提案業務を経験させていただきました。その中の業務の内、土地の財産評価については難易度が高く、とくに土地の作図工程においては手作業が発生するため、作業効率が悪く、既存システムでは対応できないことが多くありましたので日々作図工程の効率について悩んでおりました。そこで、自社利用のために簡単な仕様で開発をはじめ、その開発したソフトを知人の税理士等に提供していると好評だったため、皆様が簡単に利用できるように改良を重ね、様々な機能を織り込み、今回のようなサービスを提供するに至りました。
今回開発したシステムについては、測量図や参考図面がある土地の場合、土地の形状を自動生成するため、チェックに費やす時間を省略できます。また、システム化により、経験者以外のユーザーが作図をしても作業を平準化することができ、土地作図作業の低コスト化が期待できます。
「土地作図くん」の導入により
「土地作図くん」では、ユーザーがより使いやすい使用感と私自身の経験からあったら良いなと思う機能を揃えました。
特にこだわった機能を5つ挙げれば、①測量図の無い土地の場合②2筆以上の土地の場合③1筆の土地を2つ以上に分割する場合④分割の際に参考となる図面を重ね合わせる場合⑤無道路地の場合、これらの機能にこだわりました。
例えば、①の測量図の無い土地に関しては、一般的な測量方式として、地図やマップソフトを活用しながら、現地に行って手巻メジャーやウォーキングメジャーを使用する実地調査が多いと思います。しかし、手巻メジャーやウォーキングメジャー等の距離の精度については客観的な信頼性にどうしても疑問が残ります。また、計測した距離による土地の形状の再現性についても精度は低くなってしまいます。そこで、精度が高い土地を再現するためには、どうすれば良いかと考え、GPS座標の取得機器と新たに開発したシステムを組み合わせることを考えました。これにより、測量図の無い土地であっても、精度の高い土地の形状を再現することが可能となりました。今までは数十万円程度必要だった簡易測量が、「土地作図くん」により誰でも簡単に可能となりました。
②、③、④に関しては、1画地の宅地は、必ずしも1筆の宅地からなるとは限らず、2筆以上の宅地からなる場合もありますので、システム上で簡単に土地の統合や分割が出来るようにしております。
⑤については、近似想定整形地の作図、道路開設部分の作図やその道路開設部分を踏まえた想定整形地の作図が出来る仕様にしております。
最後に
「土地作図くん」を導入していただくことにより、お客様は土地評価を高精度で効率的にすることができます。
開発者の私の思いとしては、税理士もお客様も税務署も安心できるような仕組みができあがれば嬉しいと考えております。しかし、「土地作図くん」は、まだまだ開発途上なので、ご利用いただいたすべてのお客様すべての声を拾い、改良を重ねていきたいと考えております。