「ドロガー」は、測量データがない土地でも、緯度・経度データや傾斜角を正確に取得し、視覚化できるツールです。
広範囲や不規則な地形でもリスクなくデータ収集が可能で、取得データは土地作図くんのシステム内からGoogle Mapsへ自動連動してアップロードできます。
本ページでは、ドロガーの機能や活用方法を詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください!

 ドロガーに関する情報をまとめたサイトはコチラからでも確認できます。

 ドロガーの概要動画については、下記よりご視聴くださいませ。

1.ドロガーでできること

 以下に、ドロガーを活用して実現できる具体的な機能をまとめました。

こんな土地に適しています

ポイント3

広い面積の土地
 手巻きメジャーやウォーキングメジャーでは距離が長すぎるため、広い土地の調査は時間と労力がかかりますが、ドロガーなら効率的に対応できます。

舗装されていないデコボコした土地
 ウォーキングメジャーの車輪は滑らかな面での計測を想定しており、デコボコした地面や未舗装地では正確な計測が難しいですが、ドロガーならその制約を克服できます。

傾斜地や斜面 
 手巻きメジャーやウォーキングメジャーでは傾斜を正確に反映できないため、斜面の計測が難しいですが、ドロガーであれば傾斜角も含めて正確なデータを取得可能です。

ドロガーで可能なこと

ポイント2

緯度・経度の正確なデータ取得 
 ドロガーを利用して精度の高い緯度・経度データを簡単に取得可能です。取得したGPXデータは土地作図くんシステム内にアップロードでき、Google Mapsとも連携しているため、位置を地図上で即時に視覚化できます。
 具体的な動きを確認したい方はこちら

傾斜角の正確なデータ取得 
 ドロガーは、計測地点の高さ情報を取得できるため、このデータを活用して傾斜角と斜面の長さを正確に算出できます。これにより、宅地造成費控除のための傾斜角を簡易測量レベルでデータとして確保でき、税務署への信頼性の高いエビデンスとして提出することが可能です。
 具体的な動きを確認したい方はこちら

使いやすい操作設計

要点

簡単操作で誰でもデータ収集が可能
 専門知識がなくても直感的に使える設計で、複雑な手順を覚える必要がなく、どなたでも簡単にデータを取得できます。また、ドロガーは一人でスムーズに計測できるため、迅速かつ手軽にデータ収集が可能です。

2.ドロガーが実務で使用可能か検証

2-1.センチ単位で緯度経度を計測できているか検証

検証概要

 ドロガーが実際にセンチ単位で緯度・経度を正確に取得できるかを検証しました。センチ単位での正確な測位が可能かどうかは、土地測量や作図精度の観点から重要であると考えましたので、この精度が現場で十分なレベルにあるかを確認するため、異なる計測手法と比較して検証を行いました。

検証方法

 検証方法としては、ドロガーによって取得した座標間の距離と、ウォーキングメジャーや手巻きメジャーで直接計測した距離を比較し、どれほどの誤差があるかを確認します。この方法で、ドロガーの測定精度がセンチ単位であるかどうかを具体的に検証します。

結果

結果として、ドロガーの誤差は非常に小さく、センチ単位の精度で位置情報が取得できることが確認できました。

検証動画

詳しい計測結果や、実際の検証風景を映した動画もございますので、ぜひご覧ください。

2-2どのような場所でセンチ単位で緯度経度の情報を取得可能なのか?

検証概要

 ドロガーはどのような状況でもセンチ単位の精度で測定できるわけではありません。正確な位置情報を得るためには、上空の複数の衛星から緯度経度情報を取得し、RTK測位と呼ばれる方式で誤差を補正しています。そのため、建物や樹木、山などの遮蔽物が多い場所では、センチ単位の精度が得られない場合があります。

センチ単位でできている場合

 ドロガーで取得される緯度経度の精度については、画面上で確認することが可能で、センチ単位で取得できている場合には「FIXED」と表示されます。一方、精度が落ちている際には「FLOAT」と表示され、センチ単位の精度が得られていないことを示します。

検証動画

 今回は、実地調査を通してドロガーがどのような場所でセンチ単位の精度を維持できるかを検証しました。詳しい計測結果や検証風景を映した動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。

2-3作図くんのシステム上での正確性の検証

検証概要

 ドロガーで取得した緯度経度データを「土地作図くん」システム内で活用できるか検証しました。これにより、作図精度がシステム基準を満たすかを確認する必要があると考えましたので、ドロガーのデータをアップロードし、システム上での計測結果を他の方法と比較しました。

検証方法

 ドロガーで取得した座標を「土地作図くん」にアップロードし、距離計測の正確性を確認しました。この検証では、「土地作図くん」で計測した距離と、地図アプリ「QGIS」に同じ緯度経度データをアップロードして計測した距離を比較しました。

検証結果

「土地作図くん」では、ドロガーで取得したデータを使用して問題なく正確な距離計測ができることが確認されました。

検証動画

3.実際の実地調査している様子

事例検証

⑤ドロガーを使って実測~田んぼ編~

ドロガーを使って実際の現場を測定した後、そのデータを「土地作図くん」にアップロードし、一連の作業手順を動画にまとめました。

また、「土地作図くん」を使った測定結果の精度も併せて検証しています。正確な測定が行われているかどうかもご確認いただけますので、ぜひ参考にしてください。

従来の計測法との違い

概要

 従来のウォーキングメジャーでは、地面に沿って直接測定するため、段差や凹凸の影響を受けやすく、特に大きな敷地では手作業に手間がかかります。それに対し、ドロガーはGPSおよびRTK技術を活用して緯度・経度情報をセンチ単位で取得し、短時間で高精度な測定が可能です。

検証動画

 動画では、ウォーキングメジャーとドロガーそれぞれで計測した距離の比較や測定にかかる時間、精度の違いを視覚的に確認いただける内容になっています。これにより、ドロガーの利便性や精度の高さが一目でわかるよう工夫していますので、ぜひご覧ください。

4.ドロガーの仕組み – RTKとその他の仕組み

ドロガーがなぜ土地測量で使えるのか?

ドロガーがの仕様について

 ドロガーは、高精度のGPS技術に加えてRTK(リアルタイムキネマティック)技術を活用しているため、従来のGPSに比べて位置データの誤差が非常に少ないのが特徴です。RTKはGPS信号を基にリアルタイムでデータを補正し、数センチ単位での精密測量を可能にします。これにより、広い土地や不整形な地形でも、手軽に高精度なデータが取得できるようになっています。

ドロガーのRTKの仕組について

 ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill」を活用することで、ドロガーはRTK測位を実現しました。「ichimill」は、準天頂衛星「みちびき」などのGNSS衛星から信号を受信し、誤差を数センチメートルに抑えた高精度測位を提供するサービスです。全国に3,300ヵ所以上の基準点を独自に設置し、ソフトバンクのモバイルネットワークで安定した通信環境を実現しています。

 出典:ソフトバンク株式会社「ichimill」サービス紹介ページ

RTKとGPSの違いとは?

GPS(単独測位)とは

 一般的なGPSの位置測定方法は「単独測位」と呼ばれ、4つ以上の衛星から信号を受信して位置を計算します。この方法は、飛行機や船、自動車ナビ、スマートフォンの地図アプリなどに広く利用されていますが、数メートル単位の誤差が生じるため、高精度を求められる場面には適していません。

RTKとは

 RTK(リアルタイムキネマティック)は「相対測位」の技術で、2つの受信機が衛星からの信号を受信し、誤差を補正することでGPSよりも精度の高い位置情報を取得します。この方法は数センチメートル以内の誤差に抑えられるため、農業機械や建設機械、ドローンの正確な自動航行などでの利用が広がっています

※参考 人工衛星を用いた測位システムとは

 衛星測位システムには、GPS、QZSS(準天頂衛星)、GLONASS、Galileoなどがあり、これらの総称が「GNSS(全球測位衛星システム)」です。
 カーナビやスマートフォンの位置情報は、人工衛星を使った「衛星測位システム」によって得られます。受信機が複数の衛星からの信号をもとに位置を計算する仕組みで、代表的なシステムにはGPSやQZSS(準天頂衛星「みちびき」)があります。GPSは米国で開発され民間に普及しましたが、日本独自の「みちびき」も運用されており、GPSを補完してより正確な位置情報の提供に貢献しています。

5.ドロガーの操作手順 – 初めてでも簡単!

まずはここから~ドロガーのセットアップ~

セットアップ概要

ドロガーの操作はシンプルで、専門知識がなくても誰でも使いやすく設計されています。以下の手順で、初めての方でも簡単に正確な測位が行えます。

  1. 機材の準備
     付属のマニュアルに従い、ドロガー本体をセットアップします。必要な機材はすべて含まれているので安心です。
  2. ドロガーの電源を入れる
     本体の電源を入れ、数秒間待機して、衛星の信号をキャッチするのを待ちます。
  3. アプリを起動
     スマートフォンやタブレットにインストールした専用アプリを起動し、ドロガーとペアリングします。
  4. 測位開始
     画面に「FIXED」表示が出ると、センチ単位の測位が可能な状態になっています。位置が安定したら、測位開始ボタンを押してデータを取得します。
  5. データ送信
     測位したデータは、メール送信でデータを指定したメールアドレスに送ります。送信したデータは土地作図くんにアップロードするだけです。すぐに土地測量や図面作成にすぐに活用可能です。
実際のセットアップ動画

実際のセットアップの様子を動画でご確認ください。

2つ以上の土地をドロガーで測量する場合のファイルの保存方法について(実践編)

複数の土地をドロガーで測量する際のファイル保存方法について、実践編として具体的な説明を動画でご紹介しています。

測量したデータを効率よく整理・保存するコツや、複数ファイルの管理方法についても詳しく解説していますので、ぜひ動画をご覧になり、実際の作業にお役立てください。

6.ドロガーを使った具体的な事例紹介(実践編)

 次のような事例について解説している動画がありますので、ぜひご覧ください。この動画では、具体的な手法や注意点を取り上げ、実践に役立つ情報を提供しています。

・ドロガーを使って実測~畑編~  コチラから

・土地の高さや傾斜角を求める方法 (がけ地や市街地農地の平均傾斜角について) コチラから 

・無道路地の実務編 コチラから

・宅地分割の方法について コチラから

7.よくある質問(FAQ)

データの取得にはどのくらいの時間がかかりますか?

測定は数分で完了し、その場でリアルタイムに地図上で確認できます。手動計測よりもはるかに短時間で精度の高いデータが得られます。

悪天候や電波が悪い場所でも使用できますか?

はい、悪天候下や電波が不安定な場所でも一定の精度でデータを取得可能です。高精度のGPSとドロガーの技術により、天候や環境による影響を最小限に抑えています。

測定したデータをGoogle Mapsにアップロードするにはどうすれば良いですか?

測定が完了すると、自動的にGPXファイルが生成されます。そのファイルを数ステップでGoogle Mapsにアップロードし、位置を地図上で視覚化できます。詳細手順はサポートページにてご案内しています。

トラブルが発生した場合、どのようなサポートが受けられますか?

万が一操作中にトラブルが発生した際は、動画解説や操作マニュアルをすぐに確認いただけます。また、専用のサポート窓口でスタッフが対応しますので、安心してご利用いただけます。

他の人とデータを共有したいのですが、どのようにすればよいですか?

データはGPXファイルとして保存されるため、簡単に他の人に共有できます。共有後も土地作図くんシステム内からGoogle Mapsなどで確認でき、現場の正確な状況をチーム全体で共有可能です。