税理士先生の職員の方の、実務で役立つ情報を提供させていただきたいと思い動画を撮らせていただいております。
ぜひ皆様の、業務でお役立てください。
本記事とあわせて、イメージがつきやすいと思うのでぜひ動画もご覧ください。
ゼンリンとJTNマップの特徴
ゼンリンの特徴
ゼンリンではブルーマップに路線価図を重ねたり、用途地域を重ねたりといった作業が可能です。
ブルーマップとは、住宅地図に地番の情報を重ねたものです。
今までは、自治体の無料の地番図を見て、都市計画図を見て用途地域を確認する必要がありました。ゼンリンを使うと、2つの作業が1回ですみます。手間がかからず、時間の効率化を図れるので、非常におすすめです。
ただし、ゼンリンの地図は測量図ではありません。
正確な陰地割合の計算はできないのでご注意ください。概算の陰地割合であれば、ゼンリンでも確認できます。
そしてゼンリンでできる機能は、ほぼJTNマップでも実現できます。
※商品の詳細はこちらからご確認ください。
JTNマップの特徴
JTNマップを使えば、表札検索距離や面積の測定もできますし、地図に用途地域、建ぺい率、容積率を重ねるといったことが可能です。
しかし、どちらかのサービスでしか実現できない機能も存在します。
※商品の詳細はこちらからご確認ください。
ゼンリンとJTNマップの違い
それでは、ゼンリンとJTNマップの違いについて見ていきましょう。
まず、ゼンリンでは路線価図を表示できますが、JTNマップにはありません。
ゼンリンを使用せずに路線価図を見たいと思った場合は、国税庁のホームページにアクセスする必要があります。
一方で、ゼンリンにはないけど、JTNマップに存在している機能もあります。
それが「法務局との連携」です。
こちらが、JTNマップで一番おすすめできる部分です。
JTNであれば、ブルーマップを見ながら謄本、測量図、公図などを連携させることが可能です。
これが非常に便利なのです。
ゼンリンとJTNマップの料金体系
続いて、それぞれの料金体系を見ていきましょう。
ゼンリンの料金形態
ゼンリンの場合は、1ID、かつ1エリアあたり月額11,000円です。
エリアは都道府県のことです。例えば私の場合は大阪で仕事しているので、大阪だけの契約であれば、月額11,000円で利用できるということになります。もし東京の情報を見ようと思った場合は、もう1エリア分の契約が必要になるというわけです。
ゼンリンには「全国プラン」というものもあります。こちらは月額33,000円で、全国のエリアを見られるものです。4エリア以上を頻繁に確認するのであれば、全国プランを選んだ方がお得です。また、たまにしか他県の地図を見る機会がないということであれば、月額14,000円で、1エリアプラス60分だけ他の都道府県のエリアも見られるプランもあります。
皆さんの状況に応じて、適したものを選ぶとよいでしょう。
JTNマップの料金形態
JTNマップでは、さまざまな料金プランが用意されています。
ゼンリンは有料プランのみですが、JTNマップでは無料プランも用意されています。
件数に応じて、金額が上がっていくイメージです。
ゼンリンとJTNマップの料金比較
ゼンリンとJTNマップの料金体系を比較してみました。
ゼンリンは、月額11,000円、月額14,000円、月額33,300円の3つのプランがあります。無料のプランはありませんが、5日間の試用版も用意されているので、気になる方は一度利用してみてはいかがでしょうか。
一方、JTNの場合はプランが大きく分けて5つあります。
無料でも、ブルーマップ検索ができるのはうれしいですね。
ただし無料で使う場合、1つ注意点があります。JTNマップには、登記簿図書館で謄本などを取れるサービスがあります。こういうサービスを利用せずに、ただブルーマップだけを使用していると、3カ月後に両方のサービスが停止されてしまうのでお気をつけください。
言い換えれば、3カ月に1回、忘れずに登記をあげたり公図をあげたりすれば、ブルーマップをずっと無料で使用できます。しかし無料では表札検索ができませんし、用途地域も見られません。そういったものも見たいということであれば、有料プランへの変更が必要です。
JTNマップの金額は、件数によって変わってきます。
取得件数に応じて選ぶのが良いでしょう。
料金だけ見ると、ゼンリンの方が少し高い印象があります。
しかしゼンリンはわかりやすく、使い勝手が良いので、どちらもおすすめです。
ゼンリンの使用感とおすすめ機能
最後に、使用感やおすすめの機能をご紹介します。
レイヤー機能
ゼンリンの場合は、住宅地図を表示し、レイヤーのところで重ねていきたい情報を追加していきます。
例えばブルーマップを重ねると、地番図が地図上に表示されます。
さらに用途地域を重ねると、「市街化区域の商業区域の80:400:防火の地域」といった情報が瞬時に表示されます。これが非常に便利なのです。
さらに地図を引いてみると、各地域ごとの情報がすべて表示されます。こちらも大変重宝します。
もちろん、他のレイヤーも追加できます。相続税路線価を同時に重ねてみましょう。
この地域は76万円で、罰則は63万円といった路線価の情報を同時に確認できます。この機能もおすすめです。また、私はあまり使いませんが、衛星画像を重ねることも可能です。
計測機能
他にも、計測できる機能があります。測量図ほど精度が高いわけではありませんが、概算で測れるので便利です。
実際に測ってみたのが以下の表になります。
場所によって長さが1m以上ずれているのがわかります。面積も20m以上ずれていますね。
なぜこんなにずれるのかというと、住宅地図では土地と土地の境界線が明確ではないからです。ですから、正確な長さや面積を知りたい場合は、やはり測量図が必要なのです。
その他のおすすめ機能
次に、概算評価額の機能を見ていきましょう。
この地域は路線価が76万円なので「76万円」と入力します。すると評価が表示されます。こちらも概算として計算する分には良い機能です。地域の補正率表もすぐに確認できて便利です。
このように、ゼンリンにログインすれば、だいたいのものがわかります。
今回の場所は倍率地域ではないので、倍率のボタンをクリックしても表示されませんが、もし倍率地域であれば、これもすぐに確認できます。 また印刷機能もすぐれており、見栄えのよいものが用意されていますので、このままお客様にお出しすることも可能です。ゼンリンを活用すれば、皆さんの時間効率は非常に上がると言えるでしょう。
JTNマップの使用感とおすすめ機能
JTNマップについても見ていきましょう。
JTNマップでおすすめなのが、この不動産登記情報取得機能です。
この機能を使えば、一気に謄本や公図といった、業務に必要な情報をすべて取得できます。
また測量図の有無についても確認できます。非常に便利です。
まとめ
今回は、税理士事務所の実務で使えるゼンリンとJTNマップについてご紹介しました。
- ゼンリンは路線価図を表示できるが、JTNマップにはない
- JTNマップは法務局と連携できる機能があるが、ゼンリンにはない
- ゼンリンには11,000円、14,000円、33,000円の3つの料金プランが用意されている
- JTNマップは無償プランがある。件数に応じて金額が変わる。
- ゼンリンの方が割高だが、使いやすい。5日間の試用版がある。
動画や記事が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。