税理士先生の職員の方の、実務で役立つ情報を提供させていただきたいと思い動画を撮らせていただいております。

ぜひ皆様の、業務でお役立てください。

①【フルVer】土地作図に必要な資料取集について

こちらの記事より、地図編として短編での動画となります。

本記事とあわせて、イメージがつきやすいと思うのでぜひ動画もご覧ください。

現場での資料収集の考え方

現場での資料収集の考え方は、大きく2つあります。

  1. 土地評価の際に、評価減となる法令の制限を確認する資料の収集方法
  2. 作図をする上で参考となる図面や情報の資料の収集方法

各自治体で差はありますが、インターネットで資料を収集できる方法が増えてきていますので、合わせて解説していきます。

資料を取得することで、お客様の土地評価額が下がり、納税負担が減らせます。

私が実務で案件に直面した際に、調べながら学んだことをご紹介しますので、少しでも参考になれば幸いです。

土地を評価するにあたってやるべきこと

資料収集の方法の説明に入る前に、土地を評価するにあたり、何をしなければならないのかをご紹介します。

資料収集の流れは、図の1~8の順になります。

このうち1~2は、以下についてご説明します。

  • 具体的な取得方法
  • 取得の目的
  • 実際に取得する様子
  • 実際に取得した資料

5の現地確認・測量の部分については、動画でおすすめの測量アイテムや測量方法について紹介しています。ぜひ参考にしてください。

青枠で囲んだ3と5は、特に苦戦する部分です。

役所調査は、税理士になって何年も経った現在でも、難しいと感じます。税理士試験で、このようなことを学ぶことはありません。ですから実際の現場で学ぶ必要があります。

ここで、役所調査に関する参考文献を紹介します。

財産評価について、笹岡宏保先生の『財産評価の実務』という本を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

笹岡先生の本もおすすめですが、他にも実務の資料収集に関する文献は、以下の書籍がおすすめです。

『土地評価実務の教科書』や『土地評価現地リポート』は、どちらも実務の目線で書かれていて、私も参考にしています。面識はない先生なのですが、とても役に立っています。皆さんも、もしよければ手に取ってみてください。

評価する土地の確認方法

評価する土地の確認方法について説明します。

以下の順番で確認していきます。

  1. 固定資産税課で名寄せを取得する
  2. 名寄せをした土地の地番をもとに、住宅地図で場所を確認する
  3. 住宅地図をもとに路線価図を確認する。

1つずつ詳しくみていきましょう。

1.固定資産税課で名寄せを取得

名寄帳は、市役所や区役所で取得できます。取得する際の留意点は2つです。

  1. 共有のものも必ず取得する
  2. 先代名義のままになっている土地がある場合は、その名寄せも取得する

税理士の中には、固定資産税課税明細で評価対象地を確認する方もいます。しかし、課税明細書には固定資産税が非課税の土地は載っていません。また私道などは相続税では課税されますが固定資産税は非課税となっているのが多くあります。ですから、名寄帳で確認することがおすすめです。

2.住宅地図で場所を確認

固定資産税課で土地の名寄せをして、地番を取得した後の作業で、注意してほしいことが1点あります。

それは、Googleマップで地番を検索しようとしても、検索できないことが多いということです。なぜなら、Googleマップで調べられるのは、私たちが日常的に使う、住所の住居表示番号だからです。住居表示番号は、建物に対する番号です。土地の地番とは異なることが多いのです。

では、土地の地番はどうすれば調べられるのでしょうか?

答えは、ブルーマップを使用することです。

ブルーマップは、住居表示番号に、土地の地番を重ね合わせた地図です。ブルーマップを使えば、建物の住居表示番号から、土地の地番を特定することが可能になります。

私が税理士の実務に携わるようになったのは、約13年前からです。当時は、法務局までわざわざ出向いて、ブルーマップを調べる必要がありました。

しかし現在は、インターネット上で簡単にブルーマップを確認できます。

ブルーマップの確認方法も、いくつかご紹介します。

3.路線価図の確認

路線価図は「国税庁路線価」というキーワードで検索すればすぐにヒットします。

また「全国地価マップ」というサイトでも、路線価図を確認できます。

ブルーマップの種類

2.住宅地図で場所を確認でお伝えしていた、ブルーマップの確認方法を、いくつかご紹介します。

インターネットで利用できるブルーマップは、大きく2つのパターンに分けられます。

  1. 有料のサービスを使う
  2. 無料で使える役所の土地地番検索を使う
有料のサービス

有料のサービスで代表的なのが、ゼンリンのブルーマップとJTNのブルーマップです。 無料でブルーマップを使用したい場合は、例えば「○○市 GIS」というキーワードで検索してみましょう。その市の地図情報サイトが表示されます

こちらが、ゼンリンにある税理士向けパッケージのホームページです。(商品ページはこちらから)

もし予算があるなら、ゼンリンのブルーマップをおすすめします。なぜなら土地の地番検索もできて、かつ用途地域や都市計画情報も、すべてゼンリンの地図で確認できるからです。

さまざまな情報を一気に調べられるため時間の効率化も図れます。

ただし、ゼンリンを利用するには、月額11,000円から33,000円の年間契約をしなければいけません。コストがかかるのがデメリットです。

無料のサービス

JTNのブルーマップは、閲覧だけなら無料です。(商品ページはこちらから)

また、有料部分も月額契約なしで利用できます。もし、少しでも予算を抑えたいのであれば、JTNのブルーマップがおすすめです。

ゼンリンとJTNの比較は、別の動画でも解説しているので、もし興味があればご覧ください。

後ほど、JTNのブルーマップを使った事例と、役所の地図を使った事例の2つを紹介します。

評価する土地を確認する実務の様子

今回、動画を作成するにあたり、1の名寄せの部分を、お客様に依頼して取得していただきました。

2と3は税理士サイドで取得するものです。

これから実際の使用感を説明していきます。

この対象地について、JTNのブルーマップや、自治体のGIS情報で調べていきます。

地番の確認

JTNブルーマップを使って地番を確認する方法

こちらが、JTNブルーマップのログイン画面です。

ログインすると、住所検索できる画面が表示されますので、住所を入力して、今回の対象地を検索します。

赤色…住居表示番号

青色…地番

このように、すぐに地番を検索できます。費用も安いので、私はJTNブルーマップを活用しています。

自治体の地図を使って地番を確認する方法

続いて、自治体の地図で地番を確認する方法を見ていきましょう。

まずは大阪市のケースです。

大阪市の場合は「固定資産地籍図」を使えば、無料で地番を確認できます。

続いて、兵庫県尼崎市のケースです。

尼崎市の場合は、地番参考図というものがありますので、こちらを使用します。

尼崎市の場合は、直接、地番参考図を参照できます。一方、大阪市の場合は、固定資産税のところに地番参考図があります。このように、地番の検索方法は、市区町村によってさまざまです。

路線価図の確認方法

続いて、路線価図を確認する方法を見ていきましょう。

「国税庁 路線価」で検索すると、一番上にヒットします。

このページを使って、大阪市西区靱本町1丁目の路線価図を検索します。

単位は1,000円ですから、1平米あたり76万円になります。側道は63万円です。 評価する土地の確認方法は以上です。このような形で土地の情報を取得していきます。ぜひ、参考にしてみてください。